山姥誕生 2
飲み屋でその男は
「あの小娘、オレをバカにしやがって。。。」と酒に酔いながら
町のゴロつきと飲んでいた。
お蝶の家では、金貸しとこの始末で言い争ていた。このままでは
折角、米相場に口入出来る手配が無くなることだけは。。。と
金貸しの主は思案した。
源太は朝からコキ使われて、泥のように眠るんだが寝る前
「家に帰りてぃ」と泣きが入る様になっていた。
そのころ、お蝶は小屋から出て二日目の昼。
昨日の夕方から、後ろに付いて来てるのは犬かオオカミか。
なにしろ赤い毛の獣がいることは気が付いていた。
離れず寄らず、後ろにいると思うと前にいる。
いま、歩いてるこの獣道もあの赤毛になんだか導かれてるように思えた。 また沢を越えると、険しい山の中腹あたりか。
岩と岩の間に、何やら洞窟みたいな大きい穴があるのを見つけた。
中に入ることにしたお蝶は、薄暗い穴は意外と奥があるので
周りに何があるのか分らなかった。だんだん目が慣れてくると
行李箱(こうりばこ)が何個かあるのに、気が付いた。
迷わず蓋を開けて、手にした袋の感触は。。。
米だコメに違いない。それを開けて手掴みで口に入れたが
生米が食えるはずがない。 お蝶はそこで考えみた。
水に浸せば、いいかも知れないと思い竹水筒に手をやったが水は
無いので探しに出た。
洞窟から出るとちょうど下る道があるので、そちらに行くと
あの赤い獣が待ち構えていた。
「私を。。 どうするつもり」とお蝶は心の中で聞いた。
つづく。。。。
飲み屋でその男は
「あの小娘、オレをバカにしやがって。。。」と酒に酔いながら
町のゴロつきと飲んでいた。
お蝶の家では、金貸しとこの始末で言い争ていた。このままでは
折角、米相場に口入出来る手配が無くなることだけは。。。と
金貸しの主は思案した。
源太は朝からコキ使われて、泥のように眠るんだが寝る前
「家に帰りてぃ」と泣きが入る様になっていた。
そのころ、お蝶は小屋から出て二日目の昼。
昨日の夕方から、後ろに付いて来てるのは犬かオオカミか。
なにしろ赤い毛の獣がいることは気が付いていた。
離れず寄らず、後ろにいると思うと前にいる。
いま、歩いてるこの獣道もあの赤毛になんだか導かれてるように思えた。 また沢を越えると、険しい山の中腹あたりか。
岩と岩の間に、何やら洞窟みたいな大きい穴があるのを見つけた。
中に入ることにしたお蝶は、薄暗い穴は意外と奥があるので
周りに何があるのか分らなかった。だんだん目が慣れてくると
行李箱(こうりばこ)が何個かあるのに、気が付いた。
迷わず蓋を開けて、手にした袋の感触は。。。
米だコメに違いない。それを開けて手掴みで口に入れたが
生米が食えるはずがない。 お蝶はそこで考えみた。
水に浸せば、いいかも知れないと思い竹水筒に手をやったが水は
無いので探しに出た。
洞窟から出るとちょうど下る道があるので、そちらに行くと
あの赤い獣が待ち構えていた。
「私を。。 どうするつもり」とお蝶は心の中で聞いた。
つづく。。。。